自分は、何を隠そう、結構ヘヴィーな乗り物オタク。
鉄道や飛行機そして船も大好きで、機会を見つけては、楽しんできています。
クルーズは、これまでに、スタークルーズ、ノルウェージャン、ロイヤルカリビアン、MSC、カーニバル、
コスタ、ホーランドアメリカラインなどの外国船。
そして、飛鳥、飛鳥2、にっぽん丸、ぱしふぃくびいなすといった日本船。
さらに帆船スタークリッパーまでいろいろな船を楽しんできました。
どの船も、それぞれの良さがあり、ひとつひとつに素敵な思い出があります。
そして、今回は、オーシャニアクルーズのオーシャニアマリーナ。
コロナ禍でのキャンセルが続き、3年越しでようやく乗船が、実現出来ました。
憧れのバルト海7泊8日(ストックホルム発コペンハーゲン着)のクルーズです。
ウクライナ戦争の影響で、一番の目的だったロシアのサンクトペテルブルクやポーランドのグダニスクが抜港になり、
えっ!・・・というところもあったのですが、結論から言うと、これはこれで大満足のクルーズとなりました。
寄港地は、
フィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、
そしてコロナでの経路変更がなければ絶対に訪れないであろう、
スゥエーデンのヴィスビューやヘルシンボリ、 デンマークのレネ、そしてベルリンの外港ともいえるヴェルネミュンデと多彩。
午前中、無料のシャトルバスで町に出て、ゆかりの教会や城壁などをぶらぶらする。
午後からは、プールサイドで太陽を浴びてリラックス。夕方にはシャワーですっきりしてディナー。
日没をベランダから楽しんだり、気が向けばショーを見て、
後はゆっくりと温泉の素を入れたバスタブで一日を振り返るという至福の日々でした。
クルーズの旅は、ある意味、船自体が目的地という側面があると思います。
それくらい、船内ですごす時間も貴重で、かつ楽しめると思います。オーシャニアマリーナは、66000トンと、最近の超大型客船トレンドから見るとやや小ぶり、
それでもそばで見ると巨大!一枚の写真に収めづらいほど!。
そしてその内容は、ハード・ソフトを含め、これまで経験とは一線を画する素晴らしいものでした。
今回のクルーズでは、乗客数が427名(乗客定員1250名)、それに対してクルーは700名を超えているとのこと。
それもプラスしているのでしょうが、細部にまで行き届き、加えて客同士のソーシャルディスタンスも完璧で!
満船ではないという事情もあるのでしょうが、ゆとりがあり、一言でいうと、「優雅」。
クルーもお客さんも、そして船全体に流れる空気の「落ち着き」というか「品の良さ」が非常に心地よく、
なにもかもがこれまでの船とは違う空気感に、大げさに言うと感動を覚えました。
さすが「プレミアムシップ」です。
順不動ですが、感じ入ったポイントを・・・!
〇 乗船してからキャビンへの案内もスムーズ
→ 昼乗船しても、客室整備が終わる15時過ぎまではパブリックエリアで時間をつぶしていたのが、これまでの経験だったのに。
〇 客室もゆとりの広さでシックな雰囲気
→ 自分は、広めのベランダの客室を選んだのですが、これが大正解!さらに優雅な時間を過ごすことが出来ました。
〇 スイートではない一般的なカテゴリーのキャビンでもシャワーブースに加え、バスタブが!
→ 日本人は、やっぱり風呂に浸かりたいですよね。「温泉の素」を入れて、優雅な時間を過ごしました。
〇 wifiは、乗船から下船まで無制限で無料
→ 船のwifiは、高くて遅い!のが相場?!でしたが、なんと無料。地上ではないので、
当然ですが、それでもLineの画像はもちろんのこと動画も時間はかかっても送ることが出来ました。
(時間帯・場所によりますが)
〇 寄港地のシャトルバスは、無料
→ 港と町は微妙な距離なことが多いだけに、安心してフリーで歩き回りました。
〇 デッキチェアーにはふかふかのクッション・そこにしっかりとタオル地のカバーが!
→ 毎日、すべての席にセットしてくれているクルーには頭が下がりました。
〇 ソフトドリンクは、どこでも何を飲んでも無料
→ マイボトルにたっぷりの氷とスプライトを入れてもらって出かけるのが、日課でした。
〇 客室の冷蔵庫のドリンク(補充あり)も、毎日置かれるミネラルウォーターも無料
→ 日々の水分補給が、熱中症には何よりの予防というところでも、安心でした。
〇 洗濯機・乾燥機、洗剤に至るまで完備で尚かつ無料
→ クリーニングに出すのもいいけれど、コストもかかるし、それよりは自分のスケジュールで洗濯出来るのが好み。
それも無料でできるのは、何気に大きなメリット!
〇 レストランはフリーシッティングで、予約が必要な特別レストランでも予約の料金も無料
→ フレンチ・イタリアン・アジアン・ステーキハウス・そして通常のグランドダイニングや
プールサイドテラスのハンバーガー・サラダレストラン、ビュッフェレストランと多彩。
自分は行きませんでしたがワインとのペアリングが楽しめるレストランやシェフズテーブルなど。
外国船なのに、どのレストランも、食の水準が非常に高いと感じました。
これまでの経験だとコースの流れで1つ2つは、「おやっ!?」という味のものがあるのが、
1週間のクルーズを通してもほんのわずかでした。
アーリーシーティングやレートシーティングを選び、大きなテーブルを囲んで、
毎日テーブルメイトと一緒に食事というのが当たり前だったあのころを思い出すと、隔世の感があります。
〇 毎日日替わりで、ジェラートが数種類楽しめる。もちろん無料
プールを見下ろせるカフェでは、アフタヌーンティータイムには、小さなバーガーやサンドイッチ、
いろいろなプチフールが並び、エスプレッソやマキアートなどのカフェメニューも充実。
→ 誘惑に負けてカップやコーンに好みのテーストを盛ってもらう日々は、背徳のよろこび!
となんか、船会社の宣伝か!というようなラインナップになってしまいましたが、
ここまでしてくれるなら、大衆船との料金の差も、納得でした。
というか財布のことを気にせず安心して自由に楽しめるので、むしろお得なのではと感じました。
大型船に比べると、船内エンターティンメントはおとなしめです。
ショーラウンジも大型船に比べると小ぶり。カジノも上品な感じですし、
日々のイベントでもゲームやビンゴといったわいわいとやるものよりも、
アートであったりクッキングスクールであったり、「大人テースト」でした。クッキングスクールは、本気度がすごい!です。
船の中の施設とは思えないほど。一人ひとりに調理台が用意され、前面のモニターでは、シェフの手元もしっかりチェック。
人気のエンターティンメントなのか、キャンセル待ちのお客さんも数名いたほどでした。
女性シェフの早口の英語は、ついていくには厳しかったですが、それでもちゃんと完成。
自分で作ったものをしっかりいただきます。
夕方の講座だったので、その日の晩ごはんは、ビュッフェレストランで軽く寿司とサラダを!と、
あえての食のバリエーションもしっかり楽しみました。
最終日のコペンハーゲンでの下船も、きわめてスムーズ。
乗船から下船まで待つことも並ぶこともなく、最後までストレスフリーな船でした。欧州全体がそうなのですが、船内のお客さんたちも、コロナ対策はすっかりアフターコロナ。
マスクをつけている人もほとんどおらず、通常に戻った感が強かったです。
何が正解かはわかりませんが、
同調圧力のなかでパニックになることもなく、こちらも成熟した大人を感じました。
ちなみに、自分も手洗い・うがいは意識しましたが、マスクはほとんど着用せず!
でも、帰国前のPCR検査は陰性でした。
ただ、船内スタッフは、全員しっかりとマスクを着用してサービスにあたっていました。
今思い出しても、夢のような時間でした。
クルーの皆さんもフレンドリーだけどわきまえた距離感、非常に心地よかったです。
多くの人たちが、それを支えるために、懸命に動いてくれている。
でもそれを微塵も感じさせない優雅さ!北欧の澄み切った空気とともに堪能しました。
ただ1人の日本人乗客でしたが、大きなストレスもなく、リラックスして非日常を感じ続けた1週間。
一つの理想郷が、そこにありました。